インビザラインは、マウスピースを装着して、徐々に歯を動かしていく矯正治療です。
平均的な治療期間は、部分矯正で約6ヵ月〜1年、全体矯正で2〜3年程度かかるといわれています。
この記事では、インビザラインにかかる治療期間と長引かせないための注意点4つを解説します。
治療期間が長引くケースについても言及していますので、インビザラインを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏
【経歴】
- 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
- 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
- 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
- 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業
ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。
目次
インビザラインの治療期間(平均)
インビザライン治療にかかる期間は、矯正する範囲や元々の歯並びによって異なりますので、それぞれ解説します。
部分矯正の平均的な期間
インビザラインの部分矯正にかかる平均的な期間の目安は、約6ヵ月〜1年程度です。
インビザラインでは、「前歯だけ」「すきっ歯を治したい」など、気になるところだけを部分的に矯正できます。
治したい1本の歯から最大6本までを治せる部分矯正は、全体的に矯正するよりも短期間で治療が終わるのが特徴です。
全体矯正の平均的な期間
インビザラインの全体矯正にかかる平均的な期間の目安は、約2〜3年程度です。
マウスピース1枚で歯を動かせるのは0.25mm、1ヵ月で1mmとごくわずかであるため、インビザラインで全体を矯正すると期間が長くかかります。
しかし、この期間はワイヤー矯正と同じくらいなので、他の矯正方法に比べてインビザラインの治療期間が長くかかるわけではありません。
歯並びの乱れが軽度の場合など、症例によっては1年〜1年半程度で治療が終わることもあります。
また、インビザラインで歯を動かし終わった後は、リテーナーによる保定期間が必要です。
保定期間の目安は、矯正治療にかかった期間と同じくらいの期間が必要といわれています。
そのため、全体矯正にかかる期間は、矯正期間が2〜3年、保定期間が約2年程度が一般的です。
出っ歯のインビザライン治療期間
出っ歯(上顎前突)の治療にインビザラインを用いる場合、その治療期間は個々の症例や出っ歯の程度によって異なります。
インビザライン治療の第一歩は、歯科医師による詳細な診断と治療計画の作成です。
デジタルスキャンやX線を用いて、歯の状態や咬合の問題を正確に把握します。
この段階で治療期間の目安が提示されますが、一般的には18ヶ月から24ヶ月程度が平均的な治療期間となります。
人によって治療期間は大きく異なる
インビザラインにかかる期間は、矯正治療によって歯を動かしたい距離や移動させる距離、部分矯正か全体矯正なのかによって左右されます。
また、実際のインビザライン治療で歯がどれだけ動くかにも個人差があるので、インビザライン治療にかかる期間は、個人差があるといえるでしょう。
インビザラインの治療期間が長引いてしまうケース
ここでは、インビザライン治療が長引いてしまう5つのケースを解説します。
- 抜歯が必要な矯正の場合
- 重度の叢生がある場合
- リファインメントが必要なケース
- マウスピースの紛失や口内トラブル
- 他の矯正方法との併用
抜歯が必要な矯正の場合
インビザラインでは、歯を並べるスペースが足りない場合や歯を後方にひっこめたい場合などに、抜歯が必要になることがあります。
抜歯することによってスペースを確保できるため、歯をきれいに並べられますが、歯を動かす距離が長くなるので期間が長引く原因になります。
また、抜歯する本数が多い場合、インビザラインだけでは対応できず、他の矯正方法を併用する可能性があるでしょう。
重度の叢生(そうせい)がある場合
叢生とは、八重歯などガタガタした歯並びのことです。
重度の叢生の場合、本来歯が並ぶはずの位置とのズレが大きいため、歯を移動させる距離が長くなるので、期間が長くかかる傾向にあります。
また、叢生の多くの原因は、歯を並べるスペースが足りないことです。
そのため、重度の叢生の場合、抜歯が必要になることが多く、その分期間がかかる原因になるでしょう。
リファインメントが必要なケース
リファインメントとは、治療計画通りにうまく歯が動いていない場合に、マウスピースを追加することです。
インビザラインは専用ソフトで歯型を採ることによって、治療前に歯がどのようにきれいになるか、シミュレーションによって確認できます。
しかし、治療を始めてみると、シミュレーション通りに歯が動かないことがあります。
実際インビザライン治療を受ける多くの方に、リファインメントが必要といわれているので、予定よりもマウスピースの枚数が多くなることは珍しいことではありません。
リファインメントによって治療期間が延びてしまいますが、きれいな歯並びにするには必要な過程といえるでしょう。
マウスピースの紛失や口内トラブル
マウスピースを紛失すると、作り直しが必要になるのでその分期間がかかってしまいます。
また、インビザライン治療中に虫歯や歯周病になった場合、治療によって歯の形がかわり、マウスピースが入らないことがあります。
この場合も、マウスピースの作り直しが必要になるので治療が長引く原因になるでしょう。
他の矯正方法との併用
インビザラインは横方向に歯を動かすのが苦手なため、全ての症例に対応できるわけではありません。
そのため、抜歯が必要になるケースなど歯の移動距離が長い場合などは、ワイヤー矯正や顎間ゴムを併用する必要があります。
他の矯正方法を併用することで治療期間は長くかかるものの、幅広い症例に対応でき、効率的に治療をすすめられるでしょう。
インビザラインの期間を短縮するための方法
インビザラインの期間を延ばさないための注意点を4つ解説します。
- 装着時間を守る
- マウスピースをなくさない
- 口内を清潔に保つ
- 定期検診を必ず受ける
装着時間を守ること
インビザラインは、1日20〜22時間以上マウスピースをつけることを前提に計画を立てています。
そのため、装着時間を守らなければ、計画通りに歯が動かず期間が長引く原因になります。
マウスピースを取り外しできるのがインビザラインのメリットですが、期間を長引かせないためには装着時間を必ず守るようにしましょう。
マウスピースを失くさない
マウスピースを自分の好きな時に取り外しできるのがインビザラインの大きなメリットですが、失くしてしまうと作り直しが必要になり、その分費用や期間がかかってしまいます。
マウスピースを外した時に、ティッシュなどに包むとゴミと間違えて捨ててしまうかもしれません。
取り外したマウスピースは、必ずケースに入れて保管するようにしましょう。
口内を清潔に保つこと
歯の汚れが付いたままマウスピースをつけると、虫歯や歯周病の原因になり、期間が長引く原因になります。
虫歯や歯周病の治療によって歯の形がかわってしまうと、マウスピースが入らないことがあります。
インビザラインは治療終了までのマウスピースを一気に制作するため、途中で歯の形がかわると、作り直しが必要になるかもしれません。
できるだけインビザラインの治療期間を延ばさないためには、虫歯や歯周病予防は必須です。
歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシなどを使って丁寧に歯を磨き、できるかぎり口内を清潔に保ちましょう。
定期検診を必ず受ける
インビザラインの治療期間を延ばさないためには、定期的に歯科医院に通うことが重要だといえます。
定期検診を受けることで、計画通りに治療がすすんでいるか、何か問題がないかなどを確認できるため、何か不具合があってもすぐに対応できるのがメリットです。
また、虫歯や歯周病の予防にもつながるので、インビザライン治療中は1〜2ヵ月に1度、必ず定期検診を受けるようにしましょう。
まとめ
- インビザラインの部分矯正にかかる期間の目安は、約6ヵ月〜1年程度
- インビザラインの全体矯正にかかる期間の目安は、約2~3年
- インビザラインにかかる治療期間は、歯を動かす距離や移動させる距離、治療の範囲など、人によって異なる
- インビザラインの治療期間をできるだけ長引かせないためには、装着時間を守る、口内を清潔に保つ、定期検診を必ず受けることが重要
インビザラインにかかる治療期間の目安は、部分矯正で約6ヵ月〜1年、全体矯正で約2〜3年です。
ただし、インビザラインの治療期間は、治療によって歯を動かしたい距離や移動させる距離によって左右されます。
また、実際のインビザライン治療で歯がどれだけ動くかにも個人差があるので、インビザライン治療にかかる期間は、個人差があるといえるでしょう。
それ以外にも、装着時間を守らなかったり、虫歯や歯周病になったりすることで治療期間が長引くことがあります。
できるだけ治療期間を長引かせないためには、装着時間を必ず守り、定期健診に通うようにしましょう。
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