歯列矯正で顔は変わるのか？その理由も歯科医師が解説

「矯正治療を受けると顔が変わる」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか？どのように顔が変わるのか気になる方も多いでしょう。

本記事では、歯列矯正で本当に顔が変わるのか詳しく解説します。

顔が変わるといわれる理由についても説明していますので、矯正治療による顔の変化が気になる方はぜひご参考にしてください。

歯列矯正で顔は変わるのか？

歯列矯正をすると、多くの方が顔つきが変わるといえるでしょう。ただし、全員が大きく変化するわけではありません。

矯正治療を受ける前の状態や、治療内容によっても異なります。

例えば、出っ歯など口元が目立ちやすい症例の場合は、矯正治療を受けることで口元が引っ込むため顔つきも大きく変わるでしょう。

一方で、軽度のガタつきなどであれば、歯並びや噛み合わせが整っても顔つきが大きく変化することはないでしょう。

そのため、顔の変化は個人差があるといえます。

また、矯正治療は口元の治療であり、目や鼻などの他のパーツが変化することはありません。

しかし、口元の印象の変化から「目が大きくなったような気がする」「鼻が高く見える」などの変化を感じる方も多くいます。

歯列矯正で顔が変化する理由

矯正治療によってどのように顔が変わるのか気になる方も多いでしょう。

矯正治療による主な顔の変化は以下の4つです。

• 横顔が整う
• 唇が閉じられるようになる
• スマイルラインの変化
• 小顔になる

それぞれの変化の特徴と理由について解説します。

横顔が整う

歯列矯正によって多く見られる顔の変化は横顔です。歯が正しい場所に移動することで横顔のバランスが変わりやすいといえます。

特に出っ歯や受け口などの症例では、矯正治療によってEラインが変化し、横顔が美しくなります。

Eラインとは、鼻先と顎先を結んだラインのことです。横顔の美しさを図る指標の1つとして使われます。Eラインより内側に口元があると横顔が美しいとされるのです。日本人の場合は、骨格の問題から、Eライン上に唇が触れる程度でも美しいとされます。

唇が閉じられるようになる

出っ歯や開咬などの症例は、口がポカンと開きがちで口呼吸になりやすいといえます。しかし、矯正治療を受けることで出ていた口元が引っ込み、唇を閉じやすくなるのです。口呼吸も改善することが多いでしょう。

口元がすっきりするため、顔の印象も変わりやすくなります。

スマイルラインの変化

スマイルラインとは、笑顔のときの上前歯の先端を結んだラインのことです。下唇に沿った緩やかなカーブを描くのが理想的な形で、口角が上がって見えるため穏やかな印象を与えます。

矯正治療で歯並びだけでなく噛み合わせも整えることでスマイルラインがきれいに見えます。

左右の噛み合わせのバランスが崩れていると、美しいアーチを描けずスマイルラインが乱れるからです。歯並びも噛み合わせも整うことでバランスのいいきれいなスマイルラインがつくれます。

小顔になる

歯列が外側に広がっているような症例では、歯並びを整え、歯列のアーチが小さくなることでフェイスラインがスッキリして小顔に見えることがあります。

また、噛み合わせが悪いと咬筋が異常に発達してエラが張りやすくなるケースもあります。噛み合わせを整えて咬筋の負担が軽減するとエラが解消されて、小顔に見えることもあるのです。

まとめ

• 歯列矯正をすると必ず顔が変わるわけではないが、顔つきが変化することが多い。
• 特に横顔が変化することが多い。Eラインが整って横顔が美しくなりやすい。
• 目や鼻など他のパーツが実際に変化することはないが、口元の印象が変わることで「目が大きくなった」「鼻が高くなった」などと感じることが多い。
• 自然と口角も上がりやすくなり、明るい印象を与えやすくなる。

歯列矯正は歯並びや噛み合わせの改善だけでなく、顔の印象も変わりやすいといえます。とはいえ、必ず良い方向に変化するとは限りません。矯正治療の結果は見た目も大きく左右するため、治療実績が豊富で信頼できる歯科医院のもとで治療を受けたほうがいいでしょう。