歯列矯正は治療が長期間にわたるため、矯正期間中の制限が気になる方も多いことでしょう。
矯正の種類によって、やってはいけないことが異なります。
本記事では、矯正中にやってはいけないことについて解説しています。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の種類別に詳しく説明していますので、矯正治療を検討されている方はぜひご参考にしてください。
ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏
【経歴】
- 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
- 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
- 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
- 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業
ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。
目次
マウスピース矯正中にやってはいけないこと
マウスピース矯正とは、マウスピースを1日に20〜22時間以上装着することで歯に矯正力を加え、少しずつ歯並びを整える治療法です。
マウスピース矯正中にやってはいけないことは以下の4つです。
- マウスピースを装着しながらの飲食
- 食後に歯磨きをせずにマウスピースを装着する
- マウスピースの装着時間を守らない
- 正しい装着方法や保管方法を守らない
それぞれの理由を詳しく解説します。
マウスピースを装着しながらの飲食
マウスピースを装着しながら飲食してはいけません。マウスピースの破損や、虫歯・歯周病のリスクが高まるからです。
飲食時にはマウスピースを外し、飲食後は歯磨きとマウスピースの洗浄を終えてから再度マウスピースを装着します。
マウスピースが破損したり虫歯や歯周病に罹ったりすると、矯正治療が中断する可能性もあり、治療期間が長引く原因になります。
水以外のものはマウスピースを装着中に飲食しないようにしましょう。
熱いお湯もマウスピースが変形する恐れがあるため、装置を外してから飲むようにしてください。
食後に歯磨きをせずにマウスピースを装着する
食後に歯磨きをせずにマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病の原因になります。
食べかすや汚れがついた状態でマウスピースをつけることで、歯とマウスピースの間に細菌が繁殖するからです。
しかし、外出先などで飲食後すぐに歯磨きができないケースもあるでしょう。
その場合は、うがいをしておくといいでしょう。そして、帰宅後に丁寧に歯磨きをしてください。
マウスピースの装着時間を守らない
マウスピース矯正は装着時間を守ることが非常に重要です。
マウスピースの装着時間が不足していると十分な矯正力をかけられず計画通りに歯を動かせないからです。
矯正期間が長引く原因にもなるでしょう。
また、マウスピースは1〜2週間に1度の間隔で次のステージのマウスピースに交換しなければなりません。
装着時間や交換時期を守ることで計画通りに歯を動かすことが可能です。
装着時間や交換時期を守らなければ、歯の動きと装置の形でズレが生じる恐れもあります。
理想的な治療結果にならない可能性もあるため、必ず歯科医師の指示に従うようにしましょう。
正しい装着方法や保管方法を守らない
正しい装着方法や保管方法を守らないことも、予定通りに治療が進まない原因となります。装置が歪んだり紛失したりする恐れがあるためです。
マウスピースが浮いたままにならないようチューイーを使用して装着しましょう。
そして、マウスピースの破損や紛失を避けるためにも、使用しない時は専用のケースに入れて保管するようにしてください。
ワイヤー矯正中にやってはいけないこと
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着しワイヤーを通して歯並びを整える治療法です。
ワイヤー矯正中にやってはいけないことは以下の3つです。
- 歯磨きを怠る
- 粘着性のあるものや硬いものを食べる
- 激しいスポーツ
それぞれの理由を詳しく解説します。
歯磨きを怠る
ワイヤー矯正は装置が歯に接着されているため、マウスピース矯正に比べて歯磨きが難しくなります。
より丁寧に磨かないと磨き残しが発生しやすく、虫歯や歯周病の原因となります。
ワイヤー矯正の場合は、歯ブラシだけでなくワンタフトブラシや歯間ブラシ、フロスなども使用してより丁寧なブラッシングを心がけましょう。
粘着性のあるものや硬いものを食べる
ワイヤー矯正の場合、ガムやキャラメルなどの粘着性のあるものを食べると装置が外れる恐れがあります。
また、硬いものも装置が外れたり破損したりする原因となるため、避けたほうがいいでしょう。
激しいスポーツ
矯正治療中もスポーツをすることができます。ただし、ワイヤー矯正の場合は、ボクシングや格闘技などの口元に衝撃が加わる恐れがあるスポーツには注意が必要です。
顔や口元がぶつかると装置が破損したり、口の中の粘膜に装置が当たって怪我したりする可能性があります。
矯正中に激しいスポーツをする場合は、事前に歯科医師に相談しておきましょう。マウスピースを作製するなどの対策が必要です。
その他、矯正中の注意点について
その他の矯正中の注意点は以下の2つです。
- 違和感があれば歯科医師に相談する
- 悪習癖を改善する
ワイヤー矯正、マウスピース矯正関係なく、矯正中に違和感があったり不安になったりすることがあればすぐに歯科医師に相談しましょう。
何かトラブルがあったとしても、早期に発見できることで対策が可能になります。
また、歯並びや噛み合わせに悪い影響を与える悪習癖は改善するようにしましょう。矯正治療がスムーズに進まなかったり後戻りの原因になったりする恐れがあります。
舌で歯を押す、頬杖をつくなどが悪習癖にあたります。
矯正治療で理想的な結果を得るためには、早めに悪習癖を直す必要があるでしょう。
まとめ
- マウスピース矯正では、マウスピースの装着ルールを守らなければならない。装着時間や装着の仕方、管理方法が適切でないと計画通り治療を進められない。また、虫歯や歯周病などのトラブルを避けるためにも正しい手入れが必要。
- ワイヤー矯正では、装置が破損しないよう食べ物やスポーツに注意する必要がある。そして、装置が装着されることから歯磨きが難しくなるため、より丁寧な口腔ケアが必要。
- 矯正中に気になることがあればすぐに歯科医院に相談したほうがいい。早めに対処することで大きなトラブルを避けられる。
- 悪習癖があると矯正治療がスムーズに進まなかったり後戻りの原因になったりする。矯正を始めるのであれば早めの改善が必要。
矯正中はそれぞれの治療法でやってはいけないことがあります。矯正治療は数年単位に
わたることが多いため、事前にルールを守れるか確認しておきましょう。納得のいく治療結果にするためには、歯科医師の指示に従って治療に取り組む必要があります。
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