八重歯のリスクと治療について

かつてから愛嬌の代名詞でもある「八重歯(やえば)」。笑った時に口元からちょっと覗く尖った歯は、現在でも可愛らしく、元気な印象を相手に与えます。

八重歯が特徴的な芸能人の方も何人か思い浮かびますよね。

しかし、歯科矯正がスタンダードになりつつあるこの頃では、この八重歯、良いところばかりでも無いようで…？

八重歯とは

八重歯は上の犬歯のことを指します。中でも上の歯の歯列から外れて外側に生えているものを特に八重歯と呼びます。

海外では、「ドラキュラの牙」とも言われるように先端が尖っており、口を閉じても先端だけ外に出てしまう場合もあります。

多くの場合、見た目の特徴として、かわいらしさや個性として捉えられることがあります。

しかし、場合によっては噛み合わせに影響を与えたり、歯並びの問題を引き起こすこともあるんです。

八重歯がある人は、特に問題がなければ治療の必要はありませんが、見た目や機能的な理由で気になる場合は、矯正歯科で相談することをお勧めします。

八重歯の原因

八重歯になる原因は、顎の発達が影響しています。

乳歯と永久歯の生え変わりの時期に、顎が充分に発達せずにいると、犬歯の生えるスペースが不足し歯列の外側に出てきてしまい、八重歯となります。

乳歯の内、犬歯は両隣の歯よりも後の順で生え変わりとなるので、スペースを奪われてしまいやすいのです。

八重歯を放置するリスク

八重歯は、虫歯になりやすい歯です。汚れが溜まりやすく、清掃がしづらい形と位置にあるからです。

また、八重歯だけでなく、重なっている両隣の歯にも同様のリスクを与えます。

重なっている歯は、虫歯になっても器具が届きづらく、治療が充分に出来ない場合もあります。

また口の中に八重歯が収まらないと、口腔内が乾燥し、口腔内全体の虫歯や口臭リスクが上がったり、風邪をひきやすいなどの2次的なリスクも上がります。

八重歯を治療する方法

歯列矯正

八重歯の治療には歯列矯正が適用されます。歯列矯正にも種類があり、ワイヤーを使ったものと、マウスピースを使ったものの2種類に大きく分類出来ます。

どちらも自費での治療になります。

歯列から大きく外れた所にある八重歯の場合は、抜歯を伴う歯列矯正となります。

ワイヤー矯正は、ほとんどの症例に適用でき、歯の動くスピードが早いことが特徴です。しかし、1年〜2年ほどはワイヤーを付けたまま過ごすため見た目のストレスがあります。

マウスピース矯正

軽度の八重歯であれば、マウスピース矯正での処置が可能です。

マウスピース矯正は、沢山のマウスピースを順序よく付け替えていくことにより歯を動かします。途中で、歯と歯の間をヤスリで削る工程があります。

このマウスピース矯正の最大のメリットは、矯正器具に透明なマウスピースを使用するため、矯正期間中の見た目のストレスが少ないことです。

また、マウスピースは付け外しが可能なので、丸洗いすることが出来ますし、歯もしっかりと磨けるので口腔内を清潔に保ちながら矯正を進めることが出来ます。

ただし、適用症例はワイヤーに比べると少ないため、注意が必要です。

稀にワイヤーとマウスピース、両方を使用する計画を立てる場合もあります。

八重歯の症例

八重歯の治療による変化は、見た目だけでなく機能面においても大きな影響を与えます。

治療前の画像では、犬歯が目立って前方に出ている様子が分かり、これが笑顔で歯が見えた際に目立ってしまいます。

一方、治療後の画像では、犬歯が他の歯と合わさって、整った美しい歯並びが実現されています。

この変化により、患者様の美しい笑顔と、噛み合わせの改善による食事のしやすさや発音の明瞭さなど、日常生活の質の向上も期待できます。

まとめ

これまでを振り返ってみましょう。

日本では友好的に見られている八重歯ですが、実は海外ではあまり歓迎されていないそうです。

海外では、綺麗に揃った美しい歯並びがステータスであり、進学や就職に影響しています。

グローバルな基準が進む中、今後は今まで以上に外国の人と接する機会が増えるかもしれません。そんな時に見た目から自信をもって、笑って交流出来たら素晴らしいですよね。

八重歯には、健康的なリスクも存在します。八重歯だけでなく、口腔内全体の健康も鑑みてください。お口は全身の健康の入口です。

もしあなたに八重歯がおありなら、輝く笑顔と健康の両方を手にいれる第1歩を踏み出してみませんか？