「歯医者って一度通いだすと何度も通わなくちゃいけないから、1日でまとめて治療してくれたらいいのに!」と感じたことはないですか?
虫歯治療が1日で終わることがないのには、明確な4つの理由があります。
- 段階的に治療するため
- 虫歯の大きさによって治療方法が異なる
- 1本ずつ治療するため
- 保険診療のルールがあるため
本記事では、虫歯治療が1日で終わらない理由や治療期間や料金の目安、一気に治療してくれる歯科医院はあるのか?などを解説します。
ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏
【経歴】
- 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
- 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
- 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
- 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業
ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。
目次
虫歯治療は1日で終わるのか?
虫歯治療が1日で終わるかどうかは、虫歯の状態によって異なります。
虫歯が浅く、神経に達していない場合、1回の治療で完了することが多いです。歯科医が虫歯を取り除き、その部分を埋める処置を行います。
虫歯がやや深い場合、治療に2回以上の通院が必要になることがあります。1回目で虫歯を取り除き、仮の詰め物を入れ、2回目以降で本格的な詰め物や被せ物を装着します。
虫歯が神経まで達している場合、根管治療が必要になります。この場合、治療に数回の通院が必要で、1日では完了しません。根管治療後、クラウンなどの被せ物を装着します。
したがって、虫歯の状態によっては1日で治療が終わることもありますが、中等度以上の虫歯の場合は複数回の通院が必要になります。
定期的な歯科検診を受けることで、虫歯を早期発見・早期治療することが大切です。
虫歯を一気に治療してくれる短期集中治療とは?
保険診療で虫歯治療をすすめようとすると、細かいルールがあるので1日で終わることはなく複数回の通院が必要です。
しかし、「結婚式までに治療を全て終わらせたい」「海外に移住するまでになるべく早く治療を終わらせたい」など患者様によっては短期間で一気に治療したい場合もあるでしょう。
そんな方には、保険診療ではなく自費診療で虫歯治療を受けるのがおすすめです。
自費診療であればルールや制限がないので、まとめて治療ができるので短期間で治療を終わらせられます。大きな虫歯でなければ、虫歯治療が1日で終わることも珍しくありません。
ただし、自費診療なので保険診療よりも治療費が高くなってしまうことや、まとめて治療することで1回の治療時間が長くかかるため、患者様の負担になるなどのデメリットもあります。
一気に虫歯治療したい場合には、デメリットも理解した上で自費診療をしている歯科医院に通うのがいいでしょう。
虫歯治療が1日で終わらない理由
虫歯治療が1日で終わらないのは、4つの理由があるんです。
ここでは、なぜ虫歯治療が1日で終わらないかの理由をそれぞれ解説していきます。
治療を段階的に行うため
- 虫歯の部分を削る
- 歯型をとって詰め物、被せ物をする
- 根の消毒
歯科は内科や皮膚科などと違い、薬を服用するだけで治せる症状はほとんどありません。
冷たいものがしみたり歯がズキズキ痛んだりと虫歯で自覚症状がある時は、気付かない間にすでに虫歯が進行してしまっている状態です。
この際、たとえ痛み止めや抗生剤を服用しても虫歯が治るわけではないので、しっかりと虫歯治療を受ける必要があります。
虫歯治療は、虫歯の部分を削る、歯型をとって詰め物や被せ物をする、根の消毒をする、抜歯などの外科手術など、手間がかかる処置が多いです。
そのため、段階を踏んで治療をすすめる必要があるので、虫歯治療が1日で終わることはなく、複数回通院しなければならないのです。
虫歯の大きさによって治療方法が異なるため
虫歯治療と一言でいっても、虫歯の大きさによって治療方法が異なります。
ごくわずかな初期の虫歯であれば、歯を削る必要はなく、フッ素塗布で経過観察することがほとんどです。
また、歯の表面だけの小さな虫歯の場合も、削って詰める治療が必要ですが、1日で治療が終わることがほとんどで何度も通院する必要はありません。
しかし、熱いものや甘いものがしみたり何もしていなくてもズキズキと痛んだりするなど、虫歯が大きく進行してしまっている場合には、複数回の通院が必要です。
このように、虫歯が小さければ治療が1日で終わることもありますが、自覚症状が出るほど大きくなってしまうと複数回通院しなければならなくなります。
1本ずつ治療するため
一度にまとめて治療してくれたら通院期間が短く済むのに!とお思いの方もいらっしゃると思いますが、実は歯科治療は1本ずつ行うのが基本なんです。
なぜならお口全体のかみ合わせやバランスを見ながら治療をすすめなければ、体に悪影響を及ぼしてしまうかもしれないからです。
噛み合わせが悪くなるとうまく噛めないだけでなく、食いしばりや顎関節症、頭痛、肩こりなどさまざまな不調の原因になることがあります。
そのため、複数虫歯が見つかっている場合でも、お口全体のバランスを見ながら1本ずつ治療するので、治療期間が長くかかるのです。
保険治療にはルールがあるため
虫歯治療が1日で終わることがないのは、虫歯の状態だけでなく保険診療のルールも関係しています。
保険診療には細かいルールがあり、1回の通院でできる治療には限りがあります。
例えば、保険診療で歯石取りをする場合、施術前の歯茎の検査を行い、歯茎の上にある歯石取りをした後、その後どのように状態が変化したのか検査をしたのちに、歯茎の中の歯石を取るという細かいルールがあります。
これは保険上の正式なルールなので、基本的には歯石取りだけでも1日で終わることはありません。
このようなルールが虫歯治療にも細かく決められます。
そのため、保険診療は一定の自己負担額で治療が受けられるため治療費が抑えられるというメリットがあるものの、1回の通院でできる治療に限りがあるので複数回の通院が必要なのです。
虫歯治療が終わる期間や料金
虫歯は大きさによって治療方法が異なるため、それぞれに治療期間や費用がかわってきます。
ここでは、保険診療の場合の治療期間と料金の目安を解説していきます。
虫歯の症状が軽い場合
ごく初期の虫歯であれば、まだ治療の必要はなく定期健診で経過観察していくのがほとんどです。
定期健診では経過観察の他に、クリーニングやブラッシング指導などプロフェッショナルケアが受けられ、1回1〜3,000円(税込)です。
しかし、歯の表面が虫歯で溶けてしまった初期の虫歯の場合には、経過観察ではなく虫歯治療をしなければいけません。
虫歯の部分を削り、レジンという白い詰め物をするのが一般的で、1回1,500~3,000円(税込)です。
この段階であれば、削って詰めるまでが1回の処置で終わることが多く、何度も通院する必要はありません。
このように早い段階で虫歯を発見できれば治療が長引くことはなく、虫歯治療が1日で終わることもあるのです。
虫歯の症状が重度の場合
熱いものや甘いものがしみる、何もしていなくてもズキズキ痛むなど自覚症状がでている場合は、虫歯が神経まで進行している時です。
神経まで虫歯が進んでしまうと、神経をとって根管(神経が通っていた管)を消毒する根管治療の必要があります。
根管治療はいかに虫歯菌を取り除けるかがポイントで、きちんとしなければ虫歯の再発や状態の悪化につながる可能性もあるので一回では終わりません。
そのため、根管治療だけでも複数回の通院が必要です。
根管治療で根管が綺麗になったあとは、土台をたてて被せ物をします。
根管治療から被せ物が入るまでの通院回数は歯の状態にもよりますが、平均して4〜7回、費用は約1万円(税込)です。
しかし、この期間や費用はあくまでも一般的な目安なので、痛みが引かないなど歯の状態が悪い場合には、これよりも治療期間が長くかかることもあります。
虫歯治療を短期間で終わらせるために
虫歯治療を短期間で終わらせるために大事なことは、そもそも虫歯にならないような健康なお口の状態にしておくことと、できるだけ早く虫歯を発見することです。
そのためには、日頃のセルフケアにくわえ、3〜6ヵ月に1回定期健診を受けるようにしましょう。
歯ブラシだけでは全ての汚れは落としきれません。歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることで、虫歯のできにくいお口の状態に近付けられます。
また、3〜6ヵ月に1回定期健診を受けていれば、虫歯が小さなうちに発見できるはずです。
虫歯は一度なってしまうと自然に治ることはなく、どんどん進行してしまいます。
そのため、定期的に歯科検診を受けることと、できるだけ早く虫歯に気付き治療を受けることが重要です。
この記事のまとめ
- 虫歯治療が1日で終わることがないのは、虫歯の大きさによって治療方法が違うことや、段階的に治療をすすめなければならないから
- 保険診療には細かいルールがあり、1回の通院でできることは限られているので複数回通院が必要
- 一気に虫歯治療したい場合には、ルールに縛られない自費診療をしている歯科医院に通うのがおすすめ
- 虫歯治療を短期間で終わらせるためには、日頃のセルフケアにくわえ定期的に歯科医院に通うことが重要
虫歯治療が1日で終わることがないのは、虫歯の大きさによって治療方法が異なり、段階的に治療をすすめる必要があるからです。
虫歯は一度なってしまうと自然に治ることはなく、どんどん進行してしまいます。
虫歯を小さいうちに発見できれば、治療期間も長引かず費用もかかりません。
そのためには、日頃のセルフケアと定期的に歯科検診を受けることが重要です。
何も症状がなくても、3〜6ヵ月に1回は定期健診を受けるようにしましょう。