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歯医者の麻酔が効かない原因について

麻酔が効かない原因

歯医者で麻酔が効かなかった経験はありますか?

つい「麻酔が効きにくい体質なんだ」と思いがちですが、麻酔が効きにくいことには原因があります。

歯医者での麻酔は痛みの出ている歯の周辺組織に麻酔薬を注入するため、主に炎症や痛みが強かったり、治療部位が下顎だったりすると麻酔が効きにくいのです。

これから歯医者の麻酔が効かない原因や体質との関係についてもお伝えしていきます。

歯医者の麻酔が効かない原因

麻酔が効いてない

歯医者の麻酔が効かない原因の多くは、歯の中の神経に麻酔薬が到達しないことです。

歯の神経は硬い歯の質に守られているため、直接麻酔はできません。

そのため、歯医者で一般的に行われる麻酔は「浸潤(しんじゅん)麻酔」と言い、治療する歯の近くの歯茎に麻酔薬を注入する方法です。

注入した麻酔薬は顎の骨の中から歯の根の先に浸透していくことで、治療する歯に麻酔が効きます。

ですが、5つの原因から麻酔薬が歯の中の神経に到達しないケースもあるため、これから順にお伝えしていきます。

  • 強い炎症や痛みがある場合
  • 下顎の場合
  • 緊張している場合
  • 体調不良の場合
  • 飲酒の習慣や内服薬を常用している場合

原因1【強い炎症や痛みがある場合】

強い炎症や痛みがある歯に麻酔をする場合、歯の周辺組織のpHが酸性に傾くため、麻酔が効きにくいことも。

歯医者で行う浸潤麻酔が作用するときに影響を与えるのが、治療する歯の周辺組織のpH。

麻酔薬は、pHが酸性に傾くと効きにくくなる性質を持っています。

炎症が起きている歯や、虫歯で痛みがある歯は周辺組織が酸性に傾いています。

麻酔薬の性質から、炎症や痛みがあると麻酔が効きにくいのです。

例えば、抜歯予定の歯の周りの歯茎に強い腫れがあった場合、その日に抜歯できないケースが多いです。

対処法としては、抗生物質などを処方し腫れが落ち着いてから後日抜歯を行います。

虫歯が進行し痛みが強いときも同様に、内服薬の服用で症状が落ち着いてから、後日改めて神経を取るなどの治療を進めます。

原因2【下顎の場合】

下顎は上顎と比較すると、骨の密度が高く麻酔薬が歯まで浸透しにくいため、麻酔が効きにくくなります。

下の歯の中でも特に麻酔が効きにくいのは奥歯。

口腔内でも、1番硬く分厚い骨に覆われているのが特徴です。

「下顎の親知らずを抜歯するときに麻酔が効きにくかった」というのは比較的起こりうることですが、1番麻酔の効きにくい場所であるためですね。

ですので、麻酔しようとしている歯に炎症や痛みが強く、かつ下の奥歯である場合は麻酔がなかなか効きにくいと言えるでしょう。

できるだけ炎症や痛みが強くなる前に治療を受けることをおすすめします。

原因3【緊張している場合】

歯医者での治療に不安があり、緊張している場合は麻酔が効きにくいことがあります。

例えば以前治療で痛い思いをしたり、トラウマがあったりする方もいますよね。

そういった過去の経験やトラウマから、治療に対して不安が強くなると、痛みを敏感に感じてしまいます。

意識するほど痛みに敏感になるため、麻酔前に深呼吸したり、できるだけリラックスするようにしましょう。

歯科医師や歯科衛生士に、治療に対する不安やトラウマを予め話しておくと、できる範囲で配慮してくれることもあります。

原因4【体調不良の場合】

体調不良や睡眠不足などの場合、麻酔が効きにくかったり、普段感じないような違和感を感じることがあります。

無理して麻酔を受け治療すると、思いがけない症状が出ることも。

麻酔が効きにくく麻酔量が増えたり、麻酔後気分が悪くなることもあるので注意しましょう。

体調が悪い場合は無理せず、体調を整えてから治療を受けることがおすすめです。

原因5【飲酒の習慣や内服薬がある場合】

普段から飲酒量が多かったり、抗うつ薬や鎮痛剤を常用している場合も、麻酔が効きにくくなります。

麻酔薬をはじめとした体に取り込まれた化学物質は、肝臓で分泌される酵素の働きにより分解されます。

お酒に含まれるアルコールや注射、内服薬に含まれる成分も、肝臓で分解されている化学物質です。

普段から飲酒量が多かったり、抗うつ薬や向精神薬、鎮痛剤を長期間服用していると化学物質を分解する酵素が増え、分解速度は速くなります。麻酔薬が速く分解されるため、効きにくくなってしまうのです。

抗うつ薬や鎮痛剤に限らず、常用している内服薬がある場合は、お薬手帳を常備して受診しましょう。

麻酔と体質の関係について

体質により麻酔が効きにくいということはほとんどなく、効かない場合は今までお伝えしてきた原因が関与している場合がほとんどです。

日本歯科麻酔学会ではこのように書かれています。

患者さんの体質により局所麻酔薬の効果が影響を受けることはありません。しかし、歯や歯肉(歯ぐき)の周囲に強い炎症がある場合、骨が固く麻酔の注射が浸透しにくい部位、下の奥歯、膿が溜まっている部位などでは、局所麻酔薬の効果が十分に得られない場合があります。また、治療中に痛みを繰り返したり、緊張が強い場合などでも痛みに対し過敏となり、局所麻酔効果が得られにくくなることがあります。

日本歯科麻酔学会

体質によって麻酔の効果に差があるということはありませんが、過去の治療で麻酔が効きにくかった場合は予め伝えておきましょう。

また、先ほどお伝えしたように内服薬の有無やアレルギー体質、ぜんそくや高血圧など持病がある方は事前に伝えておくと安心です。

歯医者の麻酔が効かない原因まとめ

  • 歯医者の麻酔が効かない原因は、歯の中の神経まで麻酔薬が到達しないことである
  • 歯に強い炎症や痛みがある場合や、骨密度の高い下顎の場合など、麻酔する場所に原因があり麻酔が効きにくいことがある
  • 緊張している場合や、体調不良、飲酒の習慣や内服薬を常用している場合のように、精神的・体調的に原因があり麻酔が効きにくいことがある
  • 体質により麻酔の効果に差が出ることはなく、麻酔が効きにくい場合には原因がある

麻酔が効きにくかった経験をすると、つい「麻酔が効きにくい体質」と思いがちですが、実は原因が存在します。

麻酔が効きにくい大半の原因は、強い炎症や痛みによるものや下顎であることです。

少ししみるくらいの虫歯や歯茎に違和感があるなど、軽度の症状のうちに受診し治療を受けられれば、麻酔が効きにくくなることは回避できます。

できるだけ早めに受診したり定期的なチェックを受けたりすることを心がけましょう。

記事監修者

ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏

【経歴】

  • 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
  • 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
  • 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
  • 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業

ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。

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