矯正治療の痛みについて｜いつまで続く？対処法は？

『歯列矯正を始めたい！』そんな思いを引き留めてしまう歯列矯正のデメリットが『痛み』です。

痛みが好きな方は中々いらっしゃらないですし、それがしばらくの期間続くと思うと、憂鬱な気持ちになります。

この問題の難しいところは痛みの感じ方です。【痛み】という感覚は個人差が大きい感覚なので、同じ矯正方法でも『全然痛くなかった！』という人と、『とても痛かった』という人が存在します。

今は矯正の謳い文句に『痛みが少ないこと』をあげているものも少なくありませんが、実際にはやってみなければ分からないのです。（これは痛みが【ない】という謳い文句は見かけないことにも裏付けされていますね。）

矯正が痛く感じる時

みなさんは、歯列矯正がどのような仕組みで歯を動かしているかご存知ですか？

簡単に説明します。

歯の根っこの周りには歯根膜という膜が一層あり、骨と歯の間のクッションとしての機能を持っています。

歯に圧力をかけると、歯根膜が伸縮し、厚みが変わります。

歯根膜には厚みを一定に保とうとする性質があり、それによって歯茎の骨を溶かしたり増やしたりしながら歯が動いていきます。

歯が動く時

歯列矯正で生じる痛みは、この骨が溶ける時に痛みを生み出す物質が作り出されてしまうことによって起こります。

装置装着後から2日後くらいが痛みのピークで、1週間ほどかけてだんだんと落ち着いていきます。

食べ物を噛む時

歯が動く時は、食べ物を噛むときも痛みを感じやすくなります。

硬いものなど、歯に負担がかかるものは特に痛みますので、避けた方が良いでしょう。

矯正装置が当たった時

特にワイヤー矯正において言えることですが、歯に取り付けた装置が唇や頬に当たって痛むことがあります。

ブラケットと呼ばれる装置やワイヤーが話したり食べたりする時に粘膜に擦れて口内炎などの所謂、怪我をした状態になって痛みを感じます。

マウスピース矯正でも、マウスピースのフチが歯茎に食い込んだり擦れたりして痛むことがあります。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どっちが痛い？

一般的に、ワイヤー矯正の方が矯正力が強いためワイヤー矯正の方が痛みが強いとされています。

ワイヤー矯正は、歯を固定するための金属のワイヤーを使用します。

この方法は、歯を強力に動かすことができるため、効果は高いですが、矯正中の痛みも比較的強いと感じることが多いです。

一方、マウスピース矯正は透明なプラスチック製のマウスピースを使い、これを順番に交換して歯を少しずつ動かしていきます。

マウスピース矯正は、装着感が柔らかく、痛みを少なく感じることが特徴です。

したがって、痛みを避けたい場合はマウスピース矯正がおすすめです。

どちらの方法もそれぞれメリットとデメリットがありますので、痛みだけでなく、治療期間や費用、目指す結果を考慮して選ぶことが大切です。

矯正の痛みはいつまで続くのか？

矯正治療の痛みがどれくらい続くかは、治療方法によって異なります。

ワイヤー矯正の場合、新しいワイヤーを着けたり、既存のワイヤーを締めたりした直後に痛みを感じることが一般的です。

この痛みは通常、約1週間続くことが多いです。

同様に、マウスピース矯正でも、新しいマウスピースに交換した初めの数日間は、歯が動くための圧力によって痛みを感じることがあります。

この痛みも約1週間程度で和らぐことが一般的です。

どちらの矯正方法も、痛みのピークは装置の調整や交換の直後にあり、徐々に軽減していきます。

歯や歯茎が新しい圧力に慣れるまでの間、不快感を感じることがありますが、これは矯正治療が進行している証拠です。

どうしても痛い時はどうする？

耐え難い痛みで、眠れない時などもあるかもしれません。そういった時は我慢せず痛み止めを服用しましょう。

今はドラッグストアで市販の痛み止めを購入することが出来ますので、そういったものを利用しても良いです。

1週間以上経っても痛みが引かなければ、器具の締め付けが強すぎる場合がありますので、受診してください。

また、器具の擦れによる外傷で痛い時は、粘膜に当たる部分に簡易的なワックス（やわらかいロウ）を貼り付けたりすることで解消される場合があります。

ワックスは一般に市販されていないので、担当医師に問い合わせをしてください。

粘膜はよく動く部分なのですぐに外れてしまったりはしますが、保護することですぐに痛みを軽減することが可能です。

また、マウスピース矯正では一旦マウスピースを外しておくことも可能です。

しかし、外している時間だけ矯正が遅れたり後戻りしたりしますので、どうしても痛むときの手段として利用してください。

まとめ

• 歯列矯正の痛みは、歯が移動する時に起こるもの
• ワイヤー矯正方が矯正力が強いため、より痛みを感じやすい
• 痛みは1週間程度で、痛み止めを服用するなどの対策ができる

痛みというのは、人間にとって危険なことのサインです。どんなに大人でも痛いかも、と思いながらチャレンジすることは怖いものです。

生理的なものなので、感じ方も様々で確実性がないことも嫌厭される一因でもあるでしょう。

不安な気持ちは、全く恥ずかしいことではありませんので、担当医に遠慮なく伝えてください。

『やってみたら大したことなかった！』ということもたくさんありますので、勇気を少しだけ持っていただき、一緒に進んでみませんか？