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金属アレルギーをお持ちの方への歯科治療|症状・検査方法も紹介

金属アレルギー 歯科

歯科治療を受けたあと体に湿疹ができた、体調が悪くなった、というような経験はありませんか?

その症状は、歯科治療で使用された詰め物による金属アレルギーが原因かもしれません。

金属アレルギーは、溶けだした金属が体内でたんぱく質と結合して、これが異物とみなされ免疫細胞が過剰反応し、皮膚のかゆみや発疹を引き起こす病気です。

今回は、金属アレルギーのメカニズム、症状、検査方法、歯科治療で使用される金属アレルギーを引き起こしやすい金属の種類、金属アレルギーの方への歯科治療などをご紹介いたします。

金属アレルギーでお悩みの方は、歯科治療を受ける際の参考にしてみてください。

記事監修者

ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏

【経歴】

  • 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
  • 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
  • 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
  • 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業

ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。

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口腔内の金属アレルギーが発症する原理

口腔内が痛い

金属アレルギーは、日本人の10人に1人が発症しているといわれてるほど、多くの方が患っている病気です。

Ⅳ型アレルギー(遅延型アレルギー)に分類され、アレルゲンが体内に侵入してから症状が出るまでに時間がかかるという特徴があります。

そのため、歯科治療で使用された金属が体調不調の原因であるとわからずに、長い間苦しまれている方が少なくありません。

金属アレルギー発症のメカニズム

金属アレルギーの発症メカニズムは以下の通りです。

  1. 歯科治療で使った金属の詰め物が溶けて金属イオンが身体の中に取り込まれる
  2. 取り込まれた金属イオンは、体内にあるたんぱく質と結合する(アレルゲン)
  3. アレルゲンを免疫細胞(ヘルパーT細胞)が異物と認識する
  4. ヘルパーT細胞が免疫細胞(マクロファージ)にアレルゲンと接触している自分の組織を攻撃するよう指令する
  5. ヘルパーT細胞がキラーT細胞に変わり、アレルゲンと接触している組織を攻撃する

金属アレルギーの症状

金属アレルギーは、症状や原因によって「接触性皮膚炎」と「全身型金属アレルギー」に分けられます。

接触性皮膚炎は、金属が直接触れている部位に起こる金属アレルギーです。

全身型金属アレルギーは、金属から溶けだした金属イオンが体内に取り込まれることで全身に症状が現れます。

症状は個人差があり、軽い方もいれば日常生活に支障をきたすほど重い症状が現れる方もいます。

歯科治療による影響で現れる金属アレルギーの大部分は、全身型金属アレルギーです。

金属アレルギーは、遅延型アレルギーであるため、治療後すぐに症状が出ず、1年後に症状が現れる場合があります。

金属アレルギーが引き起こす口腔内、口周辺の症状

  • 口内炎
  • 舌炎
  • 口唇炎
  • 口角炎
  • 口腔扁平苔癬
  • 白板症 など

金属アレルギーが引き起こす全身症状

  • アトピー様症状
  • 掌蹠膿疱症
  • 汗疱状湿疹
  • 扁平苔癬
  • 湿疹
  • 頭痛、めまい、肩こり など

金属アレルギーの検査方法

金属アレルギーであるかどうかを調べるためには、検査を受けなければなりません。

金属アレルギーの検査には以下のようなものがあります。

  • パッチテスト
  • 経口負荷試験
  • リンパ球刺激試験
  • 毛髪ミネラルテスト

パッチテスト

最も一般的に行なわれているのがパッチテストです。

パッチテストは、皮膚科で受けることができますが、歯科医院でも行っているところがあります。

パッチテストの方法

  1. 背中や二の腕内側に金属の試薬を含ませてあるフィルムを貼り付ける
  2. 48時間貼り付けたままにしておき、反応を確認する
  3. 72時間後、1週間後にも反応を確認する

経口負荷試験

微少量の金属粉を飲んでもらい、アレルギー反応が現れるか確認する検査方法です。

リンパ球刺激試験

血液を採取し、そこからリンパ球を分離して、金属を取り込ませTリンパ球が活性化されるか確認する検査方法です。

毛髪ミネラルテスト

毛髪に蓄積された有害ミネラルを測定する検査方法です。

金属アレルギーを引き起こす金属の種類

歯科治療で使用される金属の中で金属アレルギーを起こしやすいものは、水銀やニッケル、クロム、パラジウムなどです。

詰め物やブリッジ、入れ歯などで保険適用される金属で最も使用されている金銀パラジウム合金には、パラジウムが含まれています。

以前、歯科治療で使用されていたアマルガムには水銀が含まれていますが、金属アレルギーを引き起こしやすいだけではなく毒性が強いため、現在は使用されていません。

逆に金属アレルギーを起こしにくい金属は、金や銀、チタンなどです。

しかし、これらの金属も金属アレルギーを起こすことがあるため、自分が金属アレルギーではないかと少しでも疑っている方は、検査を受けて確認してから歯科治療を受けることをおすすめします。

金属アレルギーの方への歯科治療

金属アレルギーを引き起こす金属を特定し、その金属を使わずに治療をすることになります。

金属を全く使わないメタルフリー治療も選択肢のひとつです。

補綴物(詰め物や被せ物)だけではなく、入れ歯などもメタルフリー治療ができます。

一般的には入れ歯の留め金(クラスプ)には金属が使われていますが、金属アレルギーの患者様には、クラスプに金属を使わない入れ歯(ノンクラスプデンチャー)の製作が可能です。

また、すでに補綴物に使用されている金属が原因で金属アレルギーの症状が出てしまっているとしたら、原因となっている詰め物を除去して、仮歯などで経過観察を行います。

補綴物除去後、症状が改善していった方には、レジンやセラミックなど金属アレルギーの方にも使用できる材料で再修復を行います。

金属アレルギーの方への保険治療

金属アレルギーの方は、金属アレルギーを証明する医師の診断書があれば、CAD/CAM装置で作成したハイブリッドセラミック冠(被せ物)を保険を使って入れることができます。

ハイブリッドセラミックは、レジンとセラミックを混ぜ合わせた素材のため、金属アレルギーの方でも使用可能です。

ハイブリッドセラミックは、レジンよりは強度や耐久性、審美性で優れていますが、オールセラミックに比べると劣ります。

セレック治療のインレー(詰め物)についても保険適用されていますが、適合性や強度という点から他の治療法を推奨している歯科医院があります。

インレーについては、金属アレルギーを引き起こさない金属やレジンを使って治療をすることが一般的です。

ひだまり歯科医院のセレック治療

当院では、お口の中を3D光学カメラでスキャンして、そのデータをもとに機械がセラミックの補綴物を削り出すセレック治療を行っています。

セレック治療を導入したことにより、長い製作時間がかからなくなったため、短時間で患者様に提供することが可能になりました。

そのため、忙しく何度も通院することが難しい方や、金属アレルギーの方にはおススメの治療方法です。

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