世間一般の虫歯のイメージは、ズキズキ痛むとか、歯に穴が空く、頬が腫れる、というようなイメージが多いと思いますが、熱まで出るということは中々知られていません。
発熱というと、一般的な風邪やインフルエンザなどの感染病を真っ先に疑われがちですが、虫歯からくる発熱の可能性も含まれています。
虫歯の発熱はいつまで続くのか解説していきます。
ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏
【経歴】
- 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
- 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
- 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
- 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業
ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。
目次
虫歯が原因の発熱はいつまで続く?
歯による発熱は、虫歯の進行度や感染の広がりによって異なります。症状によっては、発熱が数日から1週間以上続くことがあります。
発熱のメカニズム
根尖性歯周炎による発熱
虫歯によって、歯の神経が炎症を起こした場合、さらに発展すると根の先端に膿だまりや炎症が広がります。
この膿や炎症と戦おうと、身体が免疫反応を引き起こし、発熱が1週間以上続く場合もあります。
発熱が続く場合はすぐに歯科医の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。また、感染が広がるリスクを避けるため、早めの対応が望まれます。
上顎洞炎による発熱
上顎洞炎は、鼻性のものと歯性のものがあります。
歯性の場合、上の歯の根っこの先に膿が溜まっていると、その上にある上顎洞まで膿が上がってしまい、炎症を起こし、長期に渡り発熱や倦怠感などの全身症状を起こすことがあります。
急性のものであれば、抗生物質の投与などで対応しますが、慢性化してしまうと入院を伴う手術が必要になることもあります。
副鼻腔炎になる可能性も
蓄膿症(副鼻腔炎)という病気は聞き覚えがあると思いますが、上顎洞は副鼻腔の1つです。
歯が主な原因になっているものは、歯性上顎洞炎と呼び、それ以外の風邪などが主な原因のときは、副鼻腔炎と呼ばれて耳鼻科の範疇になります。
炎症のある部位はどちらも同じなので、場合によっては歯科と耳鼻科両方のアプローチが必要となる場合もあります。
虫歯が原因で熱が出た際に注意したいこと
アルコールは控える
アルコールを摂ると血管が拡張するため、発熱が悪化します。免疫機能も低下させるため、発熱時の飲酒は控えましょう。
入浴しない
発熱した時は、入浴はしない方がよいでしょう。戦う体力が奪われるほか、体温が更に上昇してしまいます。簡単なシャワーや温めたタオルで体を拭うなどして清潔にしましょう。
患部を触らない
歯が痛むと、思わず患部に手を当てたり、舌で触ったりしてしまいますが、細菌を更に広げてしまう恐れがあります。
触らずに安静にさせましょう。
まとめ
「虫歯で熱が出るなんて!」と驚きましたか?今回は発熱のメカニズムも取り上げて、かなりボリュームのある回になりました。
- 発熱は、身体が細菌と戦っているサイン
- 歯の根の先端に溜まった膿が原因であることが多い
- 口と鼻は繋がっているので、耳鼻科との連携が必要なこともある
発熱まで起こる虫歯は、抜歯の可能性を充分に持つくらい大きいものです。お口は体内への玄関なので、全身に細菌がまわってしまうこともあります。なるべく早く虫歯を見つけ、熱が出る前に治療出来るようにしたいですね。
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