多くの方が口臭を気にされていますが、口臭は歯周病が原因で発生している可能性が高いといえます。
口臭は自覚しづらいため、歯周病で口臭が発生していることに気付いていない方も少なくありません。
この記事では、歯周病で口臭が発生するメカニズムについて解説しています。
自分でチェックする方法や、改善策、予防法についても説明していますので、口臭が心配な方はぜひご参考にしてください。
ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏
【経歴】
- 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
- 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
- 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
- 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業
ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。
目次
歯周病で口臭が発生するメカニズム
歯周病で口臭が発生する原因は、歯周ポケットが深くなると歯周ポケット内に歯周病菌が溜まり揮発性硫黄化合物のガスを放出するからです。
揮発性硫黄化合物の主な種類は以下の3つです。
- メチルメルカプタン
- 硫化水素
- ジメルサルファイド
メチルメルカプタンは玉ねぎが腐ったような匂いといわれています。毒性が強いため、歯周病が進行する原因にもなります。
硫化水素は卵が腐ったような匂いであり、舌苔にみられることも多くあります。
そして、ジメルサルファイドは生ゴミのような生臭さがあります。
これらのガスが混ざり合うことで強い口臭が発生するのです。
お口の臭いをチェックする方法
口臭を確認したい場合は、歯科医院で口臭測定器を用いた検査を受けるといいでしょう。
すぐに自分で口臭をチェックしたい方は、以下の3つの方法を試してみてください。
- コップもしくは袋に息を吹きこむ
- 身近な人に確認する
- 市販の口臭測定器を使用する
自宅で今すぐ口臭を確認する方法は、コップや袋などに息を吹き込み自分で確認する方法です。
家族など身近な人に口臭をチェックしてもらうのもいいでしょう。
そのほかにも、通販などでも口臭測定器が販売されていますので、口臭の度合いを数値で確認したい方は口臭測定器を使用することをおすすめします。
歯周病を直すには?
歯周病を治すには、歯科医院での治療と日々のセルフケアの両方が必要です。
歯周病の治療を行うことで口臭も改善できるでしょう。
歯科医院での治療
歯科医院ではまず歯周病の検査を行います。
歯周ポケットの深さを測定し、レントゲン撮影で歯槽骨の状態を確認します。
検査結果をもとに、歯周病の進行具合に適した治療を行います。
口臭の原因にもなる歯垢や歯石を除去することで、口臭だけでなく炎症の改善も期待できるでしょう。
歯周ポケットの中まではセルフケアではアプローチできないため、歯科医院で適切な処置を受けることが大切です。
また、歯石になると自分では除去できないため、専用の器具を用いたクリーニングが必要です。
日々のセルフケア
歯科医院での治療に加えて、毎日のセルフケアも重要になります。
歯科医院で治療やクリーニングを受けても、毎日の歯磨きを怠っていると歯周病は改善できません。
歯科医院でブラッシング指導を受けて、リスク部位を把握し正しい歯磨きを行うようにしましょう。
歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやフロスなどの補助清掃用具も使用して歯と歯の間も徹底してケアするようにしてください。
歯周病を予防する方法
歯周病を予防するためには、以下の3つを心がけましょう。
- 定期検診を受診する
- 日々のセルフケアを徹底して行う
- 歯周病リスクが高まる生活習慣を改善する
それぞれの予防法を詳しく解説します。
定期検診を受診する
歯周病の初期段階は自覚症状なく進行することが多いため、大半の方が歯周病に罹っていることに気付くのが遅れます。
歯周病が進行することで口臭も発生しやすくなります。気になる症状がなくても定期検診を受診していると、歯周病の早期発見・早期治療が可能です。
定期検診の際に専門的なクリーニングを受けることで、自分では除去しきれない細かな汚れもきれいに清掃できます。
歯科医院でのクリーニングは、歯周病と口臭の両方の予防につながります。
日々のセルフケアを徹底して行う
歯周病の予防に毎日の歯磨きは欠かせません。
磨き残しがあることで細菌感染を引き起こし歯茎の炎症を引き起こすため、セルフケアを徹底して行うことが大切です。
「正しい磨き方が分からない」という方は歯科医師や歯科衛生士に相談してブラッシング指導を受けるといいでしょう。
歯周病リスクが高まる生活習慣を改善する
歯周病は細菌感染が原因で発症する病気ですが、喫煙や歯ぎしりなどの習慣によっても進行しやすくなります。
特に喫煙は免疫力が低下し、血流を悪化させるため、歯周病治療を受けても治りが遅くなる特徴があります。喫煙によって口臭が強くなることも考えられます。
歯周病に影響を与える生活習慣は早期に改善するようにしましょう。
まとめ
- 歯周病菌が放出する揮発性硫黄化合物のガスによって口臭が発生する。主な揮発性硫黄化合物の種類は、メチルメルカプタン・硫化水素・ジメルサルファイドの3つである。
- 自分で口臭をチェックする方法には、袋などに息を吹き込んで匂いを嗅ぐ方法や身近な人に確認する方法、市販の口臭測定器を使用する方法がある。
- 歯周病を治すには、歯科医院での治療と日々のていねいな歯磨きの両方が必要。
- 歯周病を予防するためには、定期検診を受診し、セルフケアを徹底すること、そして歯周病リスクが高まる生活習慣を改善することが重要。
口臭が発生するのはさまざまな原因が考えられますが、歯周病が原因で口臭が発生することが多くあります。
歯周病による口臭を防ぐためには、歯周病の治療や歯周病にならないよう予防する必要があります。
口臭が気になる方は、お口のケアを徹底し、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けるようにしましょう。
コメント