初期虫歯の黒い部分は自分で治せることができる？治療と予防について

毎日一生懸命歯を磨いているはずなのに、ある日見つけてしまった黒い点……！

こんな経験はありませんか？悔しいやら、悲しいやら、やるせない気持ちを抱えながら、歯科医院へ訪れる方も少なくありません。

現代では、どの世代も日々忙しく活動しており、歯科医院への足も遠のきがちです。

「まだ小さそうだから、風邪のように自分で治せたりはしないかな？」

そんなふうに考えたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、その考え…ちょっとかなり危険かも！？

自分で治せる虫歯のレベルについて

虫歯は、免疫力などで治すことは出来ません。そもそも【虫歯】というのは菌によって歯が溶かされ、破壊された状態です。

歯に空いた穴を自力で塞いだり、菌を免疫力によって殺したりすることは出来ませんし、自力で【完治】させることは出来ません。

しかし本当に、極々初期の頃に発見することが出来れば、その進行を止めることは可能です！

治すことは出来なくても、進行を止めてそれ以上ひどくならないように管理することが出来れば、良いのです。

歯が黒くなる原因

歯が黒くなっている時、必ずしも虫歯だから黒くなっているとは限りません。

初期虫歯

初期の虫歯になるとき、まずその歯は白濁します。表面が菌によって溶かされかけている状態です。

そこから進行していくと茶色くなり始めます。

この辺りで気がつく事が出来れば、これは進行を止めることが出来るレベルです。

ここから進んでしまうと黒くなり、削らなければいけないレベルになります。

歯石

歯周病の時も、歯が黒く見える時があります。この黒いものは歯石です。

通常、歯石は白いですが、蓄積されて歯周ポケット内側にまで溜まると、血液などが沈着して黒い歯石になっていきます。

このような歯石は縁下歯石とも呼ばれます。

歯石はとても硬く、歯ブラシでは取り除くことは出来ないため、専用の機械で時間をかけて取っていきます。

着色

虫歯ではなく、単にステインによる歯の黒ずみが起こっている時も多くあります。

コーヒーや紅茶、ワインのほか、タバコのヤニが代表的なステインの例です。

頑固なものは専用の機械が必要ですが、食べたり飲んだりした後、ホワイトニングの効果に特徴のある歯磨き粉を使ったりすることで予防することが可能です。

神経が死んだ歯

虫歯になった時はもちろんですが、転んだりした時などに、歯をぶつけたり打ったりした衝撃で歯の神経が死んでしまうことがあります。

すぐに黒ずみが起こる時と、数年かけてだんだんと黒ずみが進行する時があります。

歯の神経が死んでいる歯は黒ずみます。これは歯の神経の治療が完了した歯も同様です。

この場合、ホワイトニングなどの処置ではあまり効果が見込めないため、通常、歯を削って被せ物を作ることになります。

初期虫歯の治療法（歯科医院）

かつて、歯科医院では小さい初期の虫歯も削って治すことが主な方針でしたが、現代では初期虫歯は定期的に管理し進行を抑えることに重点をおいて、すぐに削ることは少なくなりました。

進行を抑える方法は、次のふた通りですが、どちらも清潔にするということです。

クリーニング

定期的にクリーニングをして、歯に汚れを溜めないようにします。食べかすから作られるプラークは細菌の塊です。

溶けかけている歯にプラークが付くと、虫歯の進行を手助けすることになるので、こまめなクリーニングで清潔にしていきます。

ブラッシング指導

定期的なクリーニングをしても、毎日毎食後、歯科医院に来るわけにもいきません。

虫歯の進行を止めるのになにより重要なことが、患者様自身のブラッシングです。

口の中は各個人で異なるため、自分にピッタリ合った歯ブラシやその動かし方を歯科医師や歯科衛生士から指導してもらいましょう。

虫歯の予防法

虫歯の予防に何より大切なことが、毎日のブラッシングと定期検診です。

食後はなるべくすぐに歯磨きをします。難しい場合はうがいをするだけでも良いでしょう。

口の中を隅々まで自分で確認することは出来ないため、歯科医院での定期検診も欠かせません。

期間としては、3ヶ月〜4ヶ月に一度くらいが望ましいです。最低でも半年に一度は受診して、虫歯がないか、進行していないか、チェックを受けましょう。

まとめ

忙しい毎日の中の丁寧なブラッシングは、とても大変なことです。しかし、一度穴が空いてしまった歯は元には戻せません。生涯にわたって、出来るだけ長く自分の歯を使うためにも、初期虫歯のうちに発見し、進行を抑えたいですね。

学校歯科検診で、虫歯と言われた場合は、歯医者さんで早めに見てもらってください。