歯石取りをしたいけれど、どれくらいの値段でできるのか気になるあなた。
歯石取りは、保険適応されることがほとんどで、初診の場合にかかる値段は3,000~4,000円程度です。
歯石取りの通院回数は、症状に応じてさまざま。
初診時に検査を行い、患者さまの状態に合わせた治療プランを立てていきます。
歯石取りをせずに放置するリスクもお伝えしますので、受診の際の参考になれば幸いです。
ひだまり歯科クリニック院長 飛田逹宏
【経歴】
- 平成15年 大阪大学歯学部 卒業
- 平成19年 大阪大学大学院歯学研究科卒業 歯学博士
- 平成19~22年 大阪市内の歯科医院にて勤務
- 平成22年6月 兵庫県芦屋市に、ひだまり歯科クリニック 開業
ひだまり歯科クリニックでは、来院された患者様に丁寧な説明を心掛け、納得頂いた上で治療を行い、患者様にも積極的に治療に望んでもらうとともに、患者様が満足してもらえる治療が提供できるよう、最善を尽くしております。
目次
歯石取りの値段について【保険適用の場合】
歯石取りは基本的に保険が適応され、初診の場合にかかる値段は3,000~4,000円程度が目安です。
この金額は、歯石取りのみの値段ではありません。
保険診療の場合、虫歯や歯周病の治療の一環として歯石取りが行われます。
そのため、虫歯や歯周病の検査、必要があればレントゲン撮影も含めた値段となり、お口の中の状態によって値段に多少の差が出ることもあります。
歯石取り通院回数の目安
歯石取りに必要な通院回数は、歯石の付いている量や場所、歯周病の進行度合いによって異なります。
一般的に、歯茎の外側に付いている歯石(縁上歯石)の場合は1~2回、歯茎の内側に付いている歯石(縁下歯石)では1~6回ほど通院回数がかかるケースが多いです。
また、歯周病の治療は症状に合わせて段階的に行います。
- 歯肉炎:1~2回
- 軽度歯周炎:1~6回
- 中等度歯周炎:1~6回
縁上歯石を取るのに1~2回通院し、縁下歯石が付いている場合はさらに1~6回の通院が必要になることも多いです。
これから症状別に見ていきましょう。
歯肉炎
歯肉炎は歯茎に歯垢(プラーク)や歯石が溜まり、炎症を起こした状態で、歯石を取るための通院回数は1~2回です。
主に、歯茎の外側に付いている歯垢や歯石、着色を落とします。
基本的な治療は超音波スケーラーという機械で全体的に歯石を除去し、必要に応じて手用(ハンド)スケーラーを用いて細かい歯石を取ることもあります。
軽度歯周炎
軽度歯周炎は、歯肉炎が進行し歯周ポケットが深くなった状態で、歯石を取るための通院回数は1~6回です。
軽度歯周炎の場合、主に歯周ポケット内に付いた歯垢や縁下歯石を落とします。
基本的な治療として、手用(ハンド)スケーラーを用いてポケット内の歯垢や縁下歯石を丁寧に取り除く「ルートプレーニング」という処置を行います。
中等度歯周炎
中等度歯周炎は、歯周ポケットがさらに深くなり歯のグラつきも出てくる状態で、歯石を取るための通院回数は1~6回です。
この場合、主にルートプレーニングで落としきれなかった縁下歯石を落とします。
治療としては、歯茎を切除したり開いて歯石を除去する「歯周外科」という処置が必要になる場合があります。
歯石取りを複数回に分ける理由
歯石取りを複数回に分ける理由は、歯周病の進行度合いや歯石の付いている場所・量により一度で取りきれないからです。
あなたは、歯石取りに歯科医院を受診したときに「一度で終わらなかった」という経験をしたことはありませんか?
例えば歯茎の外に付いている縁上歯石の場合は、歯石や着色の量が少なければ一度で終わるケースもあります。
ですが、歯石や着色がたくさん付いていると一度では取りきれないため、上下2回に分けることが多いのです。
歯茎の内側に付いている縁下歯石の場合、縁上歯石に比べ固くこびり付いていて、直接見えない部分の処置になるため、一度に行える本数は4~6本。
そのため、全ての歯にルートプレーニングを行う場合は6回程の通院回数がかかってしまうのです。
また、歯周病の状態によっては治療後、歯磨き指導を行いセルフケアの質が上がるようにすることも重要です。
歯周病の治療には、歯科医院で行うプロフェッショナルケアに加えてセルフケアも大事になってくるため、通院回数は多くなってしまいます。
歯石を放置するリスク
歯石を取らずにそのまま放置するリスクは主に3つあります。
- 歯周病や虫歯の原因になる
- 口臭の原因になる
- 炎症を起こし、不健康な印象を与える
歯石は、歯磨きなどのセルフケアではなかなか取れません。
歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付きやすくなってしまいます。
これから3つのリスクについてお伝えしていきます。
歯周病や虫歯の原因になる
歯石を放置すると、歯垢や歯石がさらに溜まり歯周病菌や虫歯菌も増殖するため、歯周病や虫歯を進行させるリスクが増えます。
特に歯周病は、自覚症状がないまま進行することがほとんど。
歯周ポケットが深くなり縁下歯石が増えるほど、歯石取りは複雑になり通院回数も増えます。
悪化すれば、抜歯や外科手術が必要になることも。
定期的な歯石取りは、歯周病や虫歯の予防としても重要であると言えます。
口臭の原因になる
歯石を放置すると、次の2つの理由から口臭の原因となります。
- 歯石の中の細菌からガスが発生する
- 歯茎が炎症を起こし、血や膿が出る
歯石の中の細菌は、硫化水素やメチルメルカプタンというガスを発生させます。
このガスは腐った玉ねぎや卵のような臭いを発生させるため、口臭の原因になることも。
また炎症を起こした歯茎から出る血や膿は、生ぐさい臭いを発生させます。
このような口臭の原因となる臭いは、洗口液やタブレットでは一時的にしか取れません。
根本的に解決するには、歯石を取り除くことが必要になるのです。
炎症を起こし、不健康な印象を与える
歯石は放置すると歯茎の炎症を引き起こすため、歯茎も腫れ、不健康な印象を与えてしまいます。
炎症を起こした歯茎は、赤黒くぶよぶよした状態。
他人から見ると不健康な印象を与えかねません。
また、歯石自体は黄色っぽい色をしていますが、歯周ポケットに近い部分になると血が混じり黒っぽい色になるので目立ちやすくなります。
「虫歯かも…」と来院すると、実は歯石だったということも珍しくありません。
まとめ
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- 歯石取りは基本的に保険が適応され、初診の場合にかかる値段は3,000~4,000円程度が目安である
- 歯肉炎は歯茎に歯垢(プラーク)や歯石が溜まり、炎症を起こした状態で、歯石を取るための通院回数は1~2回が目安
- 軽度~中等度歯周炎は、歯周炎が進行し歯周ポケットが深くなった状態で、歯石を取るための通院回数はそれぞれ1~6回が目安
- 歯石取りを複数回に分ける理由は、歯周病の進行度合いや歯石の付いている場所・量により一度で取りきれないからである
- 歯石を取らずにそのまま放置するリスクは、歯周炎や虫歯の原因になる・口臭の原因になる・不健康な印象を与えるの3つ
歯石取りは虫歯や歯周炎の治療の一環として行われるため、保険診療の適応になることがほとんどです。
「たかが歯石」と思うかもしれませんが、放置すると症状が進行し、治療回数が増えてしまいます。
あなたのお口の中の健康を守るためにも定期的に受診し、きれいな状態を維持しましょう。
歯石取りのよくある質問
- 歯石取りは何ヶ月に一度がいい?
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歯石取りは定期検診もかねているため、3~6ヶ月に一度受けるのがおすすめです。歯石が溜まっていたり、虫歯や歯周病が進んでいたりすることもあるので、早期発見しやすくなります。
- 歯石を除去しないとどうなるのか?
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歯石の表面はザラザラしているため、さらに歯垢が付着し、歯石はどんどん溜まってしまいます。そのため、虫歯や歯周病・口臭の原因になったり、歯石が目立つ・不健康な印象を与えたりすることもあります。
- 歯石は自分で取れるのか?
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歯石は、歯磨きなどのセルフケアでは取れません。インターネット上では、歯科医院で使っているようなスケーラーに似た機械が販売されています。ですが、ご自分で歯石を取るのは歯茎を傷つけたり、健康な歯を削ったりすることになりかねないため、大変危険です。無理に自分で取ろうとせず、歯科医院を受診することをおすすめします。
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